201004
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()10-04労働者派遣法改正に関する要望書について労働者派遣法改正に関する要望書について厚生労働大臣 殿 社団法人 全日本トラック協会 トラック業界は、十六年以降の燃料価格の高騰による深刻な打撃に加えて、一昨年末の米国の金融危機に端を発した世界的な景気の落ち込みによる輸送量の極端な減少で極めて困難な日々が続いております。各事業者の必死のコスト削減対策も効果なく、経営収支は悪化の一途をたどっております。廃業や倒産も急増する申、今や多くの事業者がまさしく事業存亡の岐路に直面しております。貴省におかれましては、一昨年末より「雇用安定調整助成金」制度の改善拡充を推進いただき特に中小企業向けに特別にご配慮を賜り、厚く感謝申し上げる次第であります。 しかしながら、これらの対策をもってしても直面する危機を速やかに打開できる状況ではなくこの際国民生活、産業活動を支える公共的トラック輸送サービスを維持し、その重要な使命を果たしていくためには、当面する諸課題に対処するために更なる諸対策を講じて頂く必要があることを訴えざるを得ない状況であります。 今般、通常国会におきまして、労働者派遣法改正案の中で当業界に影響のある「日雇い派遣の禁止」の法案が提出されると聞き及んでおりますが、当業界の円滑な業務運営、ひいては国民生活に多大な影響を及ぼすとともに前述のような状況に喘ぐ事業者にとって新たな負担を強いることとなる法改正であると考えます。 つきましては、別紙のとおり要望いたしますので、何卒ご高配を賜りますよう宣しくお願いします。 要要望望事事項項 労労働働者者派派遣遣法法のの見見直直ししににつついいてて 今般、「日雇い派遣の禁止」を含む労働者派遣法改正の法案がとりまとめられ、通常国会に提出されると聞き及んでおりますが、就業形態の多様化が進む中、労働者派遣制度の健全な発展を確保しつつ、各サービス分野の特性を十分考慮して、利用者及び労使の多様なニーズに適切に対応する観点から議論を進めて頂きたいと思います。 私どもトラック運送業界における引越業務につきましては、例年、二月から四月が繁忙期にあたり、総務省統計局の過去5年間における住民基本台帳人口移動報告を見ましても、年間移動者数の、三分の一が、三月、四月に集中しております。このような中で、トラック運送事業者におきましては、この時期の作業員確保に大変苦慮しているところでございます。 このような状況のため、この時期には、トラック運送事業者が通常期に保有する台数以上の車両の確保が必要となりますことから、道路運送法においてはレンタカー使用が認められるなど、引越業務に関わる輸送力の確保について弾力的な対策を講じて頂き、利用者のニーズに的確に対応しております。 このことは作業員の確保についても同様であり、特に求人募集に要する人員や費用の負担等は、引越事業者にとりまして非常な重荷となります。作業員を確保することが困難になれば、引越しを予定しているお客様に多大なご迷惑をお掛けずることにもなり、年度替わり等の重要な時期に社会的な混乱を招き、さらには対応出来ない中小運送事業者は事業経営の危機に陥りかねません。また、就労を希望する労働者に取りましても、勤務日数や勤務時間に弾力をもたせた雇用への需要は以前から多くあり、その道も閉ざすことになります。 こうした実態をご理解頂き、引越業務に関しましては、日雇派遣禁止対象外の業務として頂くか、最低限の配慮として引越繁忙期においては、一定期間(三月・四月)除外業務として「引越業務」を加えて頂けますよう、切に要望いたします。

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