201211
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(29)12-11事故を減らすコミュニケーション関東交通共済 飯島運送㈲ 長谷川依子私は運送会社で、車の仕事の予定を決める「配車係」という担当です。配車係になった時、私はまだ若くて、運転手さん達は私よりずっと年上で、そして私は女なので「本当に私で出来るのだろうか?」と不安でいっぱいでした。その不安はすぐに的中し、すっかり自信をなくしてしまったことがあります。運転手さんの仕事は、予定では夕方5時までに終わると思っていても、道路が混んでいたり、どこかで事故があって渋滞にまきこまれたりすると、帰社するのが遅くなり、翌日に予定を急に変更しなくてはならない事がよくあります。配車担当者が、年配者だったら運転手さん達ももっと言うことを聞いてくれるかもしれないけれど、新人の私の組んだ配車には、皆さん予定通りに終了しない仕事の不満を大いにぶちまけていくものでした。私はどうしたらいいか分からずに、ただただ謝り続けていました。運転手さん達とのコミュニケーションが出来ていないと、不思議なもので、この頃は小さな車庫内での事故も多くて、私は己の不甲斐なさを痛感していました。ある日、年の近い運転手さんが私を見かねたのか、こんなアドバイスをしてくれたのでした。「なんかオドオドしすぎだよ。配車担当者は、もっと自信を持って指示しないと駄目だよ。皆が君のこと甘くみるぜ。甘く見られない様にするには、どうしたらいいんだろう?考えた末、私は自分にルールを作る事にしました。まず、運転手さんには丁寧語でしか話し掛けていなかったのですが、心がけて少し砕けた会話に変えていきました。こうすることで年齢の差の距離を少しずつ縮ませていこうと思いました。また、運転手さん達と少しでも仲良く出来るように、運転手さんの作業服のボタンが取れていたら、さりげなく付けてあげるなどなにかと世話を焼くようにしました。そして、昼食時間が合えば、一緒に食事をする事を努めて行うようにしました。一緒にご飯を食べながら、雑談の中で私の仕事上での相談をしている内に、私が困っている事を皆に知ってもらうことが少しずつ出来て知らず知らずの間に、スムーズに仕事が流れるようになっていったのです。 ある日、「何故うちの会社は、つまらない事故が多いの?」と、私は運転手さんに聞いてみたことがありました。すると運転手さん達も、その立場から、いろいろな対処方法の意見を言います。例えば、車庫に黄色い目立つラインを引いて車を駐車する場所をわかり易くすると良いのでは・・・など、名案がいくつもあるのです。私はそれらを、ただ聞き流すのはもったいないと思うようになりました。運転手さん達は、シャイな性格の人が多いので、自分から率先して会社や社長に意見する事が得意ではありません。そこで私が代わりに意見書を作成して提出することにしました。この意見はすぐに採用され、お陰で車庫内での接触事故は、劇的に少なくなりました。こんな事を体験している内に、私自身だんだんと仕事に自信を持てるようになり、変わっていることに気付くのでした。私は今、間違いなくいうことが出来ます。良い仕事を行うのも、事故を減らすのも、人と人との繋がり、円満なコミュニケーションが不可欠なのだということです。わたしはこれからも人と人との繋がりを大切にした仕事を続けて行きたいと思っています。 自動車、自賠責、労災共済は近畿共済でご契約を!! 〒612-8418 京都市伏見区竹田向代町51-5(京都自動車会館内) TEL 075-671-1894 FAX075-671-4382 運送保険、火災保険、賠償責任保険、生命保険等についてのご用命は、キンコウセーフティ㈱へ。℡ 06-6965-2561 FAX 06-6965-2830までご連絡下さい。 平成24年度交協連主催交通事故防止標語・体験記・児童画募集応募作品から体験記の部 最優秀賞受賞作品 平成24年度交協連主催交通事故防止標語・体験記・児童画募集応募作品から体験記の部 最優秀賞受賞作品
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