危機管理術
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損害賠償の求償でこんなトラブルがある事例検討すべき求償のリスク「事例・判例からみる」貨物運送事業の危機管理術3ケース勝手に給与から損害賠償金額を天引きして訴えられる5◎きちんと求償方法を協定する◎いきなり天引きはできない◎最大25%ぐらい会社の指示により運転していて事故が発生した E運送会社では、交通事故を起こし損害賠償義務が発生しましたが、保険を使わず、運転者の給与から賠償金名目で毎月天引きしていたところ、運転者が労働基準監督署に訴えました。 その結果、損害賠償額の天引きは労働基準法に抵触し罰則が科される恐れがあると指導を受けました。ケース5の問題点運送会社運転者本来、 使用者責任や運行供用者責任があるので、一義的には運送会社に事故の賠償をする責任があります。使用者責任運行供用者責任運転者の過失が大きい場合会社が運転者に対して一部賠償を求める権利はある。ただし……求償その場合も……●労働者保護の立場から、協定もなく給与から天引きできるのは、税金と社会保険料だけとなっています。就業規則などの取り決めがないまま勝手に求償金を給与から引くことはできません。給与で賠償して給与で賠償して46第2章 労使間のトラブルを防ぐリスク管理のポイント

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